top of page

NanoVNA-H ファーストインプレッション

50k~1.5GHz HF VHF UHF Vector Networks Analyzer Antennas Analyzer+ case

by Takashi Hioki. JF1GUQ / KA8J

技術系ハムに注目されている「NanoVNA」を紹介いたします。(オリジナルは2017年に発表)

■非公式と謳いながらNanoVNAに関する情報がまとまっているWebサイトはこちら
https://cho45.github.io/NanoVNA-manual/
 

上記サイトをご覧いただくと、一通りNanoVNAのことが分かります。 VNAはVector Network Analyzerを略称です。2014年頃にドイツで発表された商品が10万円前後と高価な測定器ででした。ところが昨年の夏ごろより6,000円前後の価格で国内外の通販サイトで取り扱われたことから、人気に火が付きました。

1.jpg

50k~1.5GHz NanoVNA-H HF VHF UHF Vector Networks Analyzer Antennas Analyzer+ case が黒い化粧箱に入って届きました

●購入するには

手始めに通販サイトのamazonで”Nano VNA ”を検索してみました。「アンテナネットワークアナライザNanoVNA、2.8インチLCDデジタルディスプレイタッチスクリーン短波MF HF VHF UHFベクトルネットワークアナライザ、定在波、50kHz-900MHz 」6,199円と表示され、注文の翌日に届くとありました。ほかに9点ものNanoVNAの出品があり、5千円から6千円台の価格で選択肢が広がります。しかしながら「50KHz-1.5GzHzのバージョンがあるらしい」、「内蔵電池の別売りがあるらしい」「金属ケースのモデルがある」「組み立てキットもあるらしい」など、どれも[注]がありますので、こちらも調べてみました。

2.jpg

amazonのサイトで調べた一例

eBayのサイトにも幾種類ものNanoVNAの出品がありました。上限周波数、内蔵電池の有無などを慎重に選んだのが以下の商品です。価格がUS$51.14  Shiping Free(送料無料)、支払いにPayPalを利用しました。12月22日に注文、1月早々に日本郵便にて到着しました。

3.jpg

eBayに出品されているNanoVNA-H

これはeBayに掲載の写真ですが、左下のNanoVNAとスマホを接続した写真に注目しました。NanoVNAの2.8インチのディスプレイはかなり極小ですからスマホの画面が使えるのは朗報と言えましょう。詳しくはスマホ+NanoVNAについて後述いたします。

4.jpg

NanoVNA-Hのパッケージ

●パッケージは以下を含む

4a.jpg

●アイテムの詳細

4b.jpg

スペクトラムアナライザー機能があることから、下記のスペアナと混同される方がおられますが、まったく別の製品になります。

5.jpg

ベクトル・ネットワークアナライザーDVZ-1

6.jpg

DVZ-1アナライザーの正面パネル

●NanoVNAの内部

スペクトラムアナライザーはパソコンと接続し、専用のソフトで使用します。NanoVNAはそれ単体でディスプレイとバッテリーを内蔵していますから、用途が異なる機種となります。 内部を見ると3.7V 450mAのバッテリーと右半分はシールドされた高周波関係のブロックに分かれます。初期にシールドされていない商品が出回っていたこともありますので注意しましょう。はずれを引かないためには信用のある通販サイトから購入することをお勧めします。また、1.5GHzに対応していると書かれていることも、判断材料になります。格安な商品としてはバッテリー未搭載の商品が2,000円前後で通販されていることも確認しています。

7.jpg

NanoVNA-Hの内部。 高周波部はシールドされている

●一読を勧めたいQEXの特集

NanoVNAを使いこなすにはかなりの高度な知識を必要とする製品です。現在は廃版となっているようですが、QEX誌2014年6月のNo.11に、ドイツのVNA(VNWA3E)の記事が載っていますので一読されることをお勧めします。

8.jpg

QEX誌2014年6月のNo.11

9.jpg

SMAコネクターからM型またはN形に変換するケーブルを用意する

実際の測定ではSMAコネクターからM型またはN形に変換するケーブルを用意します。 使い始めは校正作業(キャリブレーション)を行うことが必要になります。この辺りも「NanoVNA」をキーワードに検索するとYouTubeに動画が登録されていたりしますので、参考にされてください。

Android系スマホのアプリケーション
 NanoVNA WebApp

情報を集めているうちに、NanoVNAにスマホを接続して使用できることを見つけました。Playに登録されている無料アプリの「NanoVNA WebApp」がそれで、校正作業も行わない状態でしたが、動作確認のためOTGケーブルを接続してみたところ動作を始めました。
 
* 測定点の増加 (マルチセグメントスキャン)
* NanoVNA の画面のキャプチャの取得
* s1p s2p ファイルの生成
* タイムドメイン測定 などが行えます。

10.jpg

Playに登録されている無料アプリの「NanoVNA WebApp」

これですと、パソコンにインストールする専用のアプリケーションとは別に、手軽にNanoVNAの機能を使うことが出来ます。 入手してまだ数時間の試用時間ですので、深いところはこれから探る予定ですが、アンテナ測定や高周波系の実験に威力を発揮しそうな測定器が手の届く価格帯で通販されていることをお知らせします。

11.jpg

NanoVNAの測定画面

12.jpg

スマホとNanoVNA-Hを接続する

13.jpg

OTGケーブルでスマホと接続

●おしまいに

OTGケーブルでスマホと接続します。OTGケーブルは100円均一ショップで取り扱っているところもあります。スマートフォンに付属する充電用USBケーブルとは内部の配線が違い、スマホをUSBホストとして使うときには、普通のUSBケーブルではなく、このUSBホストケーブル(OTGケーブル)が必要です。アマゾンなら500円前後の価格で入手できまず。続編では7MHzのバンドパスフィルタを測定してみようと思います。まずは材料集めから始めますので、しばらくお待ちください。
 
以上、NanoVNA-Hの第一報をお届けいしました。

bottom of page