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≪小笠原JD1から運用≫

Pacific Venus Ogasawara Cruise

Takashi Noda, JA1FY/AD6ZW

小笠原JD1から運用しました。クルーズ船「ぱしふぃっくびいなす」26,561トン、5泊6日のクルーズです。
4月4日17:00横浜港出港 4月6日08:00父島二見港入港 4月7日17:00父島二見港出港  4月9日10:00横浜港入港。  

本船は大きくて二見港では着岸出来ず港内のブイに係留、上陸は通船にて行います。4月7日は荒天で通船の運行中止、全てのオプショナルツアーキャンセル、さらに出港が15:00に変更されました。
今回のクルーズ参加の目的は父島到着後船内からHF帯で運用することでした。そのため旅行社での説明会で、船内でアマチュア無線を運用させて欲しいとお願いして、QRPならと了承されました。

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ぱしふぃっくびいなす Ship DATA

総トン数:26,561トン 全長:183.4m 全幅:25.00m

航海速力:18.5ノット 乗客定員:644名 乗組員:204人 客室数:236室

就航(改装年):1998年4月

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出航祝い JA1FY 野田隆志氏(左)とJL1BCA 加藤氏

■ツェップとFT-817を持ち込む 

乗船時ももう一度お願いしたところ大寺チーフパーサーが対応して下さり、翌日(航行中)、どこにアンテナを張りどこで運用するか、相談にのって下さることになりました。 本船は12階になっております。 11階デッキはプールと温水ジャグジーがあり天井は吹き抜けになっています。  従って12階は両舷と前方で繋がれた狭いサンデッキになっています。
 
私はこのサンデッキの右舷内側の手摺から左舷内側の手摺に2バンドのツェップアンテナを張りたいと希望し了承されました。サンデッキの下はプールで泳いだ人が休む様に椅子とテーブルが並んでいます。 無線機はここに置くことにしました。 この場所は舷側が締め切りの窓で海側からは風雨が入って来ません。 ただ中央のプール側は何の仕切もないので、雨は吹き込みます。 

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この運用はチーフパーサーがキャプテンの了承を取って下さいました。ただし、運用していない時はアンテナを外すことが条件です。 大きな問題はデッキに電源が無いことです。 これはこの船を利用されるJA3DO塩崎さんからあらかじめ伺っておりました。 このためはYaesu FT-817を使うことととし、12Ahシールバッテリーと充電器を秋葉原で購入して持ち込みました。4月5日、航行中にDXと国内QRP局が出る7,003kHzでテストをしてみました。

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JA1BU Hideo ONO

JA1BU Hideo ONO

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■ 船上の運用

位置は鳥島付近です。CWでJA1と3局JA0と1局QSOできました。 チーフパーサーの大寺さんが「交信できますか?」と見に来て下さいました。やはり航行中は若干揺れもあり、強い風があるので12階の狭いサンデッキ上でアンテナを結び付ける作業はあまり楽ではありません。 本船は鳥島周辺に寄って見やすい所を航行し、更に孀婦岩(そうふいわ)付近を航行してくれました。  

孀婦岩(そうふいわ):北緯29度47分39秒 東経140度20分31秒。東京の南約650km、鳥島の南約76kmに位置する標高99m、東西84m、南北56mの顕著な黒色孤立突岩。火道内のマグマが硬化してできた典型的な岩頸であり、したがって岩質は玄武岩である。頂上付近には水面に対して垂直方向の柱状節理が認められる。面積は0.01平方km。カルデラ式海底火山の外輪山にあたり、孀婦岩の南西2.6km、水深240mには火口がある。 (ウィキペディア)

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4月6日父島二見港入港前に本船は鯨のいる海域に寄ってくれました。私達は高いデッキの上からですが、鯨が潮を吹く所と黒い身体を見ることができました。  
 
4月6日午前中は上陸してヨット関係の方、おけらNETのJD1BBH山田さんを訪問しました。午後準備して7,002kHz でQRV、40局ほどと交信しましたが、ビートによる妨害を受けたため運用を中止しました。大勢の皆様に呼んで頂き感謝しております。

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JA1NEJ 野村さん(小笠原・父島にて)    海神 おけらNET NETCTR

4月7日(日)07:00より21.360MHz SSBでJANETにチェックインを試みました。途中でBV1EL鈴木さんがとって下さいました。 BV1ELはRS5-9で入感、私はRS5-5のレポートをいただきました。NET終了に近づきNETコントローラー、サンノゼのKD6I H 山本さんにとっていただきました。終了時の天候が悪化したことと、朝食の時間でQRTしました。 この日は悪天候で陸上との通船は中止、全てのオプショナルツアーはキャンセルになりました。 午後から準備していたJAIG NETには参加できず、悪天候の中アンテナを撤去、15:00 船は出港してしまいました。

■豪華なクルーズ

本来、この船は豪華なクルーズを目的とした客船です。世界一周を7回やっており、今後も計画があるそうです。 客室はロイヤルスイートルーム4、スイートルーム、デラックスルーム、ステートルームとあります。 ロイヤルスイートルームは今回のクルーズでは84万5千円、我々のステートルームでも21万円です。

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キャプテン主催カクテルパーティーにて    吹き抜けのロビー

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キャビン539    部屋の調度品

2人部屋で場合によっては3人部屋になります。 トイレ、洗面所、シャワー付きでTV、冷蔵庫、それにいつも熱い湯を満たしたポットと冷たい水を満たしたポット、お茶、コーヒー、紅茶などのパッグがあります。 部屋は毎日掃除されタオルなどはキレイな物にしてくれ、洗面道具、歯磨きなどを充足してくれます。 船内の催しを始め、色々なニュースは朝ライトハウスという新聞に掲載されて各部屋に届けられます。

■メインダイニング

さて設備とサービスについて記述します。設備については【ぱしふぃっくびいなすWebサイト】のフロアガイドをご覧ください。 7階はスターン側にメインダイニングがあり、一般の人はここで食事します。 高級な部屋の人は中央のダイニングサロンで食事をします。 隣接してピアノサロンがあります。バウ側にはメインラウンジがあり、ショー、ライブなどのほかダンスパーティーが行われます。 またメインダイニングの前はプロムナードになっており途中にショップがあります。  

エントランスロビーは5階にあり、フロントがここにあります。エントランスロビーは7階まで吹き抜けで、7階はその廻りがオープンバーになっております。エントランスには3台エレベーターがあります。 その他後部2カ所1台ずつエレベーターがあります。私達の部屋539はその1つのエレベータの側で、11階デッキにリグ、アンテナを運ぶのには便利でした。

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メインダイニング      洋食

■メインホール

8階スターン側には広いメインホールがあり講演会などの他卓球もここで出来たようです。9階にはカラオケルーム、カードルームがあります。10階スターン側には屋外にスポーツデッキがあり中にスポーツデッキバーがあります。 11階はジムナジウム、吹抜けで屋外にジャグジーとプールがあります。

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オープンバー    メインホール

バウ側には展望浴室が男女別にありびいなすサロン、一番前がオブザーベーションラウンジです。12階スターン側にトップラウンジ(ゲームコーナー)サンデッキ(ここに)アンテナを張りました)があります。
 
食事は朝食が和食洋食自分で選びます。洋食はバイキング形式で自分で取りそろえます。 昼は定食、夜は和食の日と洋食の日があります。 和食は懐石風、洋食はフランス料理などフルコースです。 このほか10時過ぎに夜食が出ますので、ダンスなどでお腹の空いた人は一寸食べられます。 おにぎり、麺類、果物です。
 
お茶はアーリーモーニングティー、マフィンなどが付ききます。  午前にも1回、午後はアフタヌーンティー、パテシェの作ったスイーツが食べ放題です。 夕方もう一度お茶がでます。  私達は天候が悪くなかなかQRV出来ないので、ショーやライブ、映画などを楽しんだり、ウインドウショッピング、バーで軽い飲み物を飲みながらお喋りをして、また部屋でテレビを見て過ごしました。  
 

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ぱしふぃっくびいなすの船体(ぱしふぃっくびいなすWebサイトより)

出港の時はデッキにバンドが出て賑やかな演奏、そしてシャンパンで乾杯しました。翌日はオープンバーで船長主催のカクテルパーティーがあり、私達は無線を認めて下さった船長にお礼を言った所、一緒に記念写真に入って呉れました。 天候に恵まれず思うように運用出来ず、上陸して見学もできないクルーズでしたが、船内では結構楽しく過ごしました。  
 
乗客は年配のご夫婦が多く、部屋も高級な方から予約されて行ったようで、私達の取ったステートルームは空いていました。 実はこの旅行は同じクラブJK1ZIAメンバーで時々私も乗せて頂くヨットRosebayⅢのオーナー JL1BCA 加藤さんがヨットで小笠原に行く計画があり、下見に付き合って欲しいとのお話しがあって実行しました。(おわり)de JA1FY & AD6ZW 野田隆志

【参考資料】 
■ JA1FY's LOG PDF 
■ ぱしふぃっくびいなすWebサイト 
■ 小笠原村観光協会

©QTC-JAPAN.COM 2013.04.25

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